ヨガとピラティスの違いって何?

「ピラティス」って何ですか?
ピラティスのインストラクターをしていると自己紹介したときに、
一番よく聞かれる質問です。

「ヨガとピラティスって何が違うんですか?」と聞く方もいます。

今回は、ピラティスとヨガの違いについて説明します。

起源

ヨガは、インドの苦行僧たちの「修行」として始まりました。
ヨガ哲学に基づき、悟りを得るための精神的な効果を目的としています。


一方のピラティスは「リハビリ」として
第一次世界大戦のころ、体系化されました。

始まりは異なるのに、なぜヨガと似てるよね?といわれるのでしょうか?

ヨガとピラティスが似ている理由

それは、ピラティスの創始者、ジョセフ・ピラティス氏に理由があります。

幼い頃、ピラティス氏は虚弱体質で、リウマチ熱、くる病(骨軟化症)、ぜんそくなどに悩まされていました。
そこで、身体を鍛えるために、体操選手でありボクサーでもあった父親の影響を受け、

・体操
・ボクシング
・ヨガ
・禅
・ダイビング

など様々なスポーツに励みました。

ついに病気を克服し、肉体美を活かしたデッサンモデルや、サーカス団に入って活躍するまでになりました。

研究熱心だった彼は、あらゆるスポーツの身体にとって有効な動きをピラティスメソッドに取り入れました。その為、ヨガと似ているポーズも取り入れられています。

また、ピラティスは、身体や動物の動きを観察するのが大好きでした。

猫や赤ちゃんの自然で効率的な動きが、どのように起こっているのか、解剖学に基づき日々観察研究していたそうです。

このピラティス氏の背景が、ピラティスの基礎になっています。

ヨガピラティス
発祥紀元前2500年前
(約5000年前)
1920年頃
(約100年前)
始まった場所東洋西洋
創始者苦行僧たちジョセフ・ピラティス
(ドイツ人)
目的修行リハビリ
特徴ヨガ哲学が基礎解剖学に基づいている

ピラティスとヨガの特徴

大きく息をお腹にたっぷり息を吸う、吐くを繰り返すと、リラックスしますよね。


ヨガはリラックス効果が高いとされています。
ポーズごとに深い呼吸を繰り返すことで、リラックスにつながる副交感神経が優位になってきます。
ヨガではレッスンの終わりにシャバアーサナといった瞑想の時間をとることが一般的です。

一方のピラティスは胸式呼吸です。
胸式呼吸といっても正しくは肋骨間呼吸(ラテラル)呼吸といい、横隔膜も動かす呼吸法です。

なぜなら、ピラティスでは体内の深い部分に位置するインナーマッスルを需要視しているためです。呼吸のたびにインナーマッスルが緩まないように呼吸を行います。

胸式呼吸は交感神経を優位にしていきます。交感神経は頭をスッキリとさせ、適度な筋肉の緊張が代謝をアップさせ運動効果を上げるとされています。

一つ大きく違う点があります。

ピラティスは、マットエクササイズだけでなく、専用のマシンを使います。

なぜなら、ピラティスはリハビリから始まったので、動けない兵士の身体を動かすために、寝ていたベッドにバネをつけたりして改造した「キャデラック(トピアーズテーブル)」というマシンなど様々な機材が開発されたからです。

ピラティスのマシンは、身体の特徴や、年齢、運動レベルに合わせて、同じエクササイズでも、バネの強度や位置などを微調整しながら使います。

マシンを使うことにより筋力の無いお年寄りから、プロアスリートの方まで、効果的に必要な筋肉をつけ、全身のバランスを整えていくことが可能になっています。

ヨガピラティス
呼吸法腹式呼吸胸式呼吸
神経副交感神経を刺激する交感神経を刺激する
道具マットのみ専用のマシンがある

初心者のヨガとも言われるピラティス

ピラティスは「身体の使い方の再教育」とも言われています。
身体の使い方は人ぞれぞれクセがありますが、自分の身体の効率的な使い方を教えてくれる機会はほとんどありません。

ピラティスを初めて初めて認識する「自分の筋肉」や「筋肉の連携」が多々あります。一部の筋肉で頑張ってしまっていることで、身体が歪んだり、緊張をし続けることで発生する痛みなどが発生していることがあります。

ピラティスを行い、連携する効率的な身体の使い方を実感することで、痛みを感じなくなる方もいます。

ヨガの動きには、ひねりや柔軟性がないとポーズをとることが難しい複雑な動きがあります。一方で、ピラティスは人間工学に基づいた比較的単純な動作が多く、怪我をしにくいメソッドとされています。

どちらを選んだら良い?

リラックスや瞑想などを、精神的な効果を目的としたい方はヨガがおすすめです。様々なヨガ流派がありますから、自分にあったものを探すのもよいかと思います。教室によってはヨガ哲学なども学べるところがあります。

私はいつかヨガを本格的に学ぶなら、海外で数週間、食事、哲学も含めて修行に行きたいな〜とおもいます。

ピラティスは、肩こりや腰痛、姿勢の悪さなどに悩んでいる方、何らかリハビリをしたい方、プロアスリートの方でパフォーマンスをアップさせたい方におすすめです。身体のバランスや、左右左、どの筋肉をメインで使っているか、身体や骨格のクセなどを自覚できます。レッスン中に意識して身体を再教育することで、普段の生活でも意識出来るようになってきます。